絨毯ってこんなに意味がある? 世界の“絨毯文化”をちょっとのぞき見
「絨毯」と聞くと、日本では“リビングに敷くインテリア”というイメージが強いかもしれません。
でも世界に目を向けると、絨毯にはもっと深い意味や文化が込められているのをご存知ですか?
今回は、ちょっと視野を広げて、絨毯が生活に根付いている世界の国々をのぞいてみましょう。
祈りの場を彩るイスラム圏の絨毯文化
イスラム教の国々では、絨毯は「祈りの場」として欠かせない存在です。
モスク(イスラム教の礼拝所)には広い絨毯が敷き詰められており、信者がひざまずいて祈る場所として使われます。
また、家庭でも一人ひとりが「礼拝用マット(サラージェ)」を持っていることが多く、絨毯の方向や柄には、メッカの方向を示す意味が込められていることもあります。
トルコ・イランの「手織り絨毯」は世界的な芸術品
世界的に知られる「ペルシャ絨毯」は、イランが誇る伝統工芸のひとつ。
何万本もの糸を手作業で結び、職人が数ヶ月〜数年をかけて織り上げるため、美術品としての価値も高く評価されています。
その中でも、イラン南部の遊牧民が織る「ギャッベ」は、素朴で力強い色柄や、ふかふかとした毛足が特徴的です。
女性の人生を象徴する「生命の木」や、魔除けの意味を持つ「目の文様」など、日常の願いや祈りが一枚の絨毯に込められています。
ギャッベも広い意味ではペルシャ絨毯の一種にあたりますが、細密な文様を持つクラシックなタイプとは見た目や用途がまったく異なり、日本では“別物”として認識されていることも多い存在です。
トルコの手織り絨毯もまた、宗教的・精神的な意味を帯びた文様が多く見られます。
「子どもが健やかに育ちますように」「家庭が繁栄しますように」といった願いを込めて織られた絨毯は、暮らしの中に深く根付いています。
嫁入り道具としての絨毯
中央アジアや中東の一部地域では、女性が結婚する際に「自分で織った絨毯」を嫁入り道具として持参する文化が今も残っています。
そのため、幼いころから母親や祖母と一緒に絨毯織りを学び、結婚までにいくつかの絨毯を仕上げるというのが一般的。
手間と時間をかけて織り上げた絨毯は、単なる敷物ではなく「家族の歴史」「愛情の証」として大切にされ、代々受け継がれる宝物になることもあります。
モロッコでは「壁に飾る絨毯」も
北アフリカのモロッコでは、遊牧民のベルベル人による“ベルベル絨毯”が有名です。
ウール素材でふかふかとした手触りが魅力のこの絨毯、なんと床だけでなく「壁飾り」として使われることも。
冬は保温、夏は断熱効果があり、見た目も美しいので“暮らしの布”として重宝されています。
モロッコインテリアが人気の今、日本でもおしゃれな空間づくりに使う人が増えています。
日本にある絨毯も文化の延長にある
日本人の私たちが普段使っている絨毯やラグにも、実はこうした世界の文化や歴史が反映されています。
例えば、ペルシャ模様がプリントされたウィルトン織のカーペット、北欧風のミニマルデザインのラグなど。
世界中で育まれてきた“絨毯文化”が、暮らしの中に息づいているのです。
そんな文化背景を知ってから絨毯を見直すと、どこか“モノ以上の存在”に感じられてくるかもしれません。
長く大切に使いたい絨毯は、定期的なメンテナンスを

文化や歴史が詰まった絨毯・ラグ・カーペットだからこそ、できるだけ長く、美しく使いたいもの。
デア絨毯工房では、ウール・シルク・コットンなど素材や織り方を知り尽くしている職人が、最適な方法でクリーニングを行います。
もちろん、輸入品や手織りの高級絨毯もおまかせください。色柄や風合いを損なうことなく丁寧に仕上げます。
絨毯・ラグ・カーペットのクリーニング・修復のご相談は、デア絨毯工房までどうぞ!
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